奥歯をインプラントにするメリットやデメリット、費用を解説!
こんにちは。千葉県我孫子市の歯医者「ブライト歯科クリニック」です。
奥歯を失うと食べ物を噛み砕く力が低下して、食事に不都合を感じることがあります。また、奥歯がないと発音が不明瞭になり、コミュニケーションにも支障が出ます。
失った奥歯を補う治療として、インプラント治療が選択肢として挙げられるでしょう。奥歯をインプラントにすると、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。「奥歯のインプラントは難しい」という意見があるのも気になる方が多いでしょう。
今回は、奥歯をインプラントにするメリットやデメリットについて詳しく解説します。奥歯をインプラントにする費用の目安もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
奥歯がもつ重要な役割
奥歯には重要な役割があります。確認しましょう。
食べ物を噛み砕く
奥歯は硬い食べ物を噛み砕く役割を担っています。前歯で切り分けた食物を、奥歯の広い平らな咬合面でしっかりと噛み潰します。奥歯は咬合力が非常に強いので、食物を細かく粉砕することができます。
奥歯を1本失っただけでも、噛む能力は40%近く低下すると言われています。奥歯を失うと咀嚼機能に支障をきたすでしょう。
消化器官への負担を軽減する
奥歯で食物をしっかりと噛み砕くことができれば、食物を消化する内臓の負担を大きく軽減できます。十分に噛み砕かれた食物は消化液への溶け込みが早く、栄養の吸収率も高くなります。
一方で、食物を十分に噛まずに飲み込んでしまうと、食物が塊のまま消化器官に入ります。消化がなかなか進まず、胃や腸に負担がかかるでしょう。
正しい噛み合わせの維持
奥歯は歯列全体の噛み合わせに深く関わっており、正しい噛み合わせに欠かせません。奥歯は、下顎が過剰に後方に動くのを防ぐストッパーの役割を果たしています。
奥歯は咬合面が大きく、上下の顎の位置関係を決める重要な歯です。奥歯が失われると、噛み合わせが崩れます。
正しい噛み合わせが保たれていないと、特定の歯に力が偏って加わるでしょう。歯の損傷や周囲の歯肉への影響など、次々と問題が生じてくる可能性があります。
明瞭な発音
奥歯は言葉の発音、特に子音の発音を助ける役割を果たしています。舌と奥歯の適切な位置関係によって、はっきりとした発音が可能になります。
歯がない部分からは余分な空気が漏れやすく、発音がはっきりしなくなる原因になります。奥歯があることで空気の漏れを防ぎ、明瞭な発音につながります。
顔の自然な輪郭を保つ
奥歯は単に食物を噛み砕くだけでなく、顔の輪郭を形作る働きも担っています。奥歯がなくなると、その部分の頬に窪みができます。さらに、歯が抜けた部分の顎の骨は次第に吸収されるため、顔の輪郭にも影響が及ぶでしょう。
奥歯があれば、頬の形や顎の輪郭を自然な状態に保つことができます。加齢とともに顔の輪郭が変化していくのを、ある程度遅らせる効果も期待できます。
奥歯のインプラント治療は難しいといわれる理由
奥歯のインプラント治療は難易度が高くなると言われています。理由を確認しましょう。
上顎洞が近くに位置している
上顎の奥歯のインプラント治療が難しいとされる主な要因は、上顎洞(副鼻腔)が近くに位置していることです。上顎洞は、鼻腔の隣、上顎骨の上方、眼窩の下方にある骨の空洞で、鼻腔と直接つながっています。
上顎の奥歯のインプラント治療では、上顎洞の近くにインプラントを埋入する必要があります。インプラントを埋入する際に、上顎洞を損傷するリスクがあるのです。また、インプラントが上顎洞に近すぎると、上顎洞炎を引き起こす可能性があります。
骨吸収が進んでいると骨量が不足する
奥歯のインプラント治療が難しくなる理由として、骨量の不足が挙げられます。歯を失った後、その部位の骨は使用されなくなるため、時間とともに骨吸収が進み骨量が減少します。
特に、奥歯は咀嚼の際に大きな力がかかる部位です。歯を失ってから時間が経過すると、歯があったときのように骨に力が伝わらないため、骨量が不足しやすくなります。
骨量が不足していると、そのままではインプラント治療を行うことができません。このような状況では、骨造成を行って骨量を増やす必要があります。
奥歯をインプラントにするメリット
奥歯をインプラントにするメリットを確認しましょう。
天然歯のような噛み心地が得られる
奥歯をインプラントにすることで、天然の歯と同等の噛み心地が実現できます。一般的に、入れ歯では噛む力が天然歯の15~30%程度、ブリッジでも60%程度にとどまると言われています。
インプラントであれば、顎の骨に人工歯根が直接埋め込まれているため噛む力は天然歯とほぼ変わりません。噛み心地が天然歯に近いため、硬い食材や繊維質な食べ物も、気兼ねなく食べることができるでしょう。
歯を失う前と同じように、食材の風味や食感を楽しむことができます。
自然で美しい見た目
インプラントは審美性が高く、天然歯と見分けがつきにくいのが特徴です。入れ歯やブリッジでは金属の装置が見える場合があり、人前で堂々と口を開けて笑うことに抵抗を感じる方もいます。
インプラントは歯茎の中に人工歯根が隠れているため、装着部分が目立ちません。中でも、セラミックを用いた人工歯は天然歯の質感や色合いを再現できます。口元の見た目を気にする必要がなく、笑顔に自信が持てるでしょう。
周囲の歯に負担がかからない
奥歯のインプラント治療では、健康な歯を削ったり抜いたりする必要がありません。
例えば、ブリッジの場合は隣接する健康な歯を削って支えにする必要があります。隣接する歯の負担が大きくなり、虫歯などのリスクも高まります。削った歯を将来抜歯しなくてはならなくなるケースも少なくありません。
インプラントでは、このようなリスクがありません。特に奥歯は噛む力が強いため、周りの歯への影響を最小限に抑えられるのはインプラントの大きなメリットです。
骨の吸収を防ぐ
歯を失うと、その部位の骨が徐々に吸収されていきます。これは、歯根から骨に伝わる刺激がなくなることが原因です。入れ歯やブリッジでは骨に刺激が伝わらず、骨の吸収につながります。
一方、インプラント治療ではインプラント体が顎の骨に埋め込まれていることで、噛む際の刺激が骨に伝わり続けます。骨に負荷がかかり続けることで、骨の吸収を防げるのです。
噛み合わせのバランスが改善される
インプラント治療では、人工歯の装着時に噛み合わせを調整します。左右の噛む力のバランスを取れるので、一箇所へ負担が集中するのを防げます。
さらに定期的にメンテナンスを受けることで、長期間にわたり適正な噛み合わせを維持できます。奥歯は歯列全体の噛み合わせに大きく影響するため、噛み合わせを調整することは非常に重要です。
しっかり発音できる
入れ歯を使うと、隙間から空気が漏れて発音しづらくなる場合があります。インプラントであればそうした心配はほとんどありません。固定されているので会話中にずれることはなく、スムーズな会話を楽しめます。
痛みや違和感が少ない
入れ歯やブリッジでは、装着物と歯茎の間に食べ物が挟まったり、固定具が歯を締め付けることで痛みや違和感が出たりする可能性があります。特に奥歯は噛む力が強く、問題が生じやすい部位です。
インプラントは、歯茎と人工歯の間に隙間がないので、食べ残しが挟まって痛みが出るリスクが低くなります。
奥歯をインプラントにするデメリット
奥歯をインプラントにすることにはデメリットもあります。確認しましょう。
骨量が不十分だと治療が難しい
インプラント治療を行うには、顎の骨に一定の厚みがあることが条件になります。人工歯根を顎の骨に埋め込み、骨とインプラント体を確実に結合する必要があるからです。
歯を抜いてから時間が経過している場合や、加齢によって骨密度が低下している場合など、骨の量が不足していると治療が難しくなります。骨の量が不十分な場合は、インプラント治療を行う前に骨を増やすために、骨造成という専門的で難易度の高い処置を行います。
また、骨の状態次第では、インプラント治療を選択できないこともあります。
治療費が高額になる
インプラント治療は保険適用外の自費診療となるため、費用が高くなる傾向があります。医療費控除の対象になることはありますが、安価な入れ歯やブリッジと比べると、インプラント治療の費用は高額です。
インプラント周囲炎のリスクがある
インプラント治療後に発症するリスクのあるトラブルとして、インプラント周囲炎が挙げられます。歯周病菌がインプラント体と歯茎の隙間に入り込み、徐々に炎症を引き起こす病気です。
インプラント周囲炎になると、インプラントが緩んで脱落してしまう可能性があります。発症リスクを抑えるには、術後の口腔ケアと定期的な歯科検診が不可欠です。
治療期間が長くなることがある
インプラント治療は最短でも3か月程度かかります。人工歯根を顎に埋め込んだ後、骨に結合するまでの期間が必要になるためです。
骨の量が不足していれば骨造成が必要になります。この処置後は骨が育つのを待たなければならないので、さらに治療期間が長くなるでしょう。
定期的なメンテナンスが欠かせない
インプラントは生きた組織ではないため、汚れや細菌を自力で取り除くことはできません。汚れや細菌を放置すると、インプラント周囲炎などのトラブルにつながります。
インプラント治療を受けた後も、定期的な歯科検診と専門的なメンテナンスが欠かせません。生涯にわたり適切なインプラントの管理を続けていく必要があり、メンテナンス費用や通院の手間はデメリットになります。
奥歯のインプラント治療にかかる費用
奥歯のインプラント治療にかかる費用の目安は、1歯あたり40万~80万円程度です。費用は、手術の内容や人工歯の素材によって異なります。
まとめ
奥歯には食べ物を噛み砕く重要な役割があります。また、もともと大きな力が加わる部位だけに、歯が失われると骨への刺激が急に無くなって骨の吸収が進みます。
奥歯をインプラントにすることで、骨の吸収を抑え、自分の歯のようにしっかり噛めるようになります。
ただし、上顎の奥歯は上顎洞が近くにあるため、手術が難しくなることがあります。また、上顎・下顎を問わず、骨量が十分でなければ骨量を増やすための処置が必要になるでしょう。
奥歯をインプラントにするときは、骨量が十分かどうか、治療が長引くようなことはないかなど、しっかりと確認する必要があります。
インプラントを検討されている方は、千葉県我孫子市の歯医者「ブライト歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
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