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顎の骨が足りないとインプラント治療は受けられない?再生療法とは?

こんにちは。千葉県我孫子市の歯医者「ブライト歯科クリニック」です。
インプラントの構造を示す図

インプラント治療を検討していたのに「顎の骨が足りないので治療できない」といわれて諦めてはいませんか。インプラントをするには、顎の骨が十分あることが条件としてあげられます。

しかし、さまざまな理由から顎の骨が痩せてインプラント治療に対応できる十分な量を満たしていない方も少なくありません。

今回は、顎の骨が足りない方でもインプラント治療が可能となる再生療法について解説します。インプラントをしたいけれど「顎の骨が足りない」といわれた方は、ぜひ参考にしてください。

インプラント治療とは

2本のインプラント
インプラント治療は、虫歯や歯周病、事故など、何らかの理由で歯を失った方が行う治療です。

歯の支えとなる顎の骨に、インプラント体とよばれる人工のねじを埋め込み、支えとして利用します。周囲の歯を利用することなく歯を補うことが可能であるため、1本だけの治療はもちろん、複数の歯を失っている場合でも対応できます。

また、入れ歯やブリッジと異なり、顎の骨を支えとしているため、ご自身の歯と変わらない咀嚼力を保てる点も大きなメリットといえるでしょう。保険適用外の自由診療ですが、メリットが大きく、選択される方が増えているのが現状です。

ただし、インプラント治療は外科的手術をともなうため、すべての方が受けられるわけではありません。循環器系疾患や糖尿病、骨粗鬆症などの疾患がある方は注意が必要です。

顎の骨が足りなくなる原因

原因と結果をあらわすイメージ図
顎の骨は、加齢のほかにさまざまな理由から痩せてしまいます。インプラント治療を行うためには、顎の骨に十分な厚みと幅、硬さがあることが必要不可欠です。インプラント治療で必要な骨の量が足りなくなる4つの原因は、以下のとおりです。

・歯周病に罹患している

・歯を抜けたままにしている

・合わない入れ歯を使用している

・先天的に骨が薄い

以下、それぞれ解説します。

歯周病に罹患している

歯周病は、歯の表面に付着しているプラークが原因で起こる疾患です。進行すると歯の支えとなる顎の骨(歯槽骨)が溶けて吸収されるため、最終的に歯が抜け落ちてしまいます。

歯周病で歯を失ったケースでは、顎の骨が吸収されて痩せている可能性が高いです。そのため、インプラント治療するために必要な骨の量が足りないことも少なくありません。

歯を抜けたままにしている

歯が抜けたまま長期間放置していると、顎の骨は痩せてしまいます。顎の骨が十分な厚みや幅を保っているのは、ものを噛んだときの刺激が歯から伝わり、適度な刺激を受けているからです。

人体は、刺激されない部分は衰える特徴があります。そのため、歯が抜けたまま放置すると、長期間にわたり刺激がない状態が続くため、結果的に骨が衰え、痩せるリスクが高くなってしまうのです。

合わない入れ歯を使用している

合わない入れ歯を長期間使用していると、顎の骨が痩せる原因となります。

入れ歯は、歯茎を支えの一部として利用して噛む力を補う治療法です。

しかし、なかには合わない入れ歯を使用して、歯茎に過度な力がかかり過ぎているケースがあります。過度な力が歯茎にかかり、顎の骨が圧迫された状態が続くため、次第に骨が吸収されてしまいます。顎の骨の量を保つために刺激は必要ですが、刺激が強過ぎても骨が痩せる原因となってしまうため注意が必要です。

先天的に骨が薄い

上述した原因に該当しない場合、生まれつき骨の量が少なく、厚みや幅が薄い可能性が考えられます。

上の奥歯の辺りには上顎洞とよばれる空洞が存在します。顎の骨が薄い方は上顎洞との距離も近くなるため、上の奥歯を失った際、インプラントに必要な骨の量に達していない可能性が高くなるでしょう。

顎の骨が足りないとインプラント治療は受けられない?

両手を広げ疑問の様子の女性
結論から述べると、顎の骨の量が少なくてもインプラント治療を受けることができます。

ただし、インプラント治療は顎の骨を土台としているため、骨に十分な厚みと幅、硬さが必要です。顎の骨の量がインプラントに対応できる十分な量でないと診断された場合、インプラント治療の適用外となるのでご注意ください。

しかし、このようなケースでも再生療法を行って顎の骨の量を増やせば、インプラント治療が可能です。骨の量が足りずインプラント治療の適応外となってしまっても、再生療法を行えば受けられる場合があります。

再生療法は、インプラント治療を行っているすべての歯科医院でできるわけではないのでご注意ください。

顎の骨が足りないときの再生療法とは?

歯科治療をしている歯科医師と患者さま
顎の骨が足りずインプラント治療が受けられないケースでは、再生療法で骨の量を増やすことで治療できる可能性があります。

再生療法とは、骨を増やすために行う手術ですが、さまざまな種類があり、インプラント手術を行う部位や骨の量によって選択されます。再生療法の種類は、大きく分けて以下の3つに分類されます。

・GBR法

・ソケットリフト

・サイナスリフト

以下、それぞれ解説します。

GBR法

GBR法は、一般的に上下顎どの部位でも行うことができる治療法です。骨の足りない部分に、事前に採取したご自身の骨(自家骨)、または人口の骨(骨補填材)を充填して骨の量を増やします。

再生する骨の量が少ない症例では、インプラント手術と同時に行われるケースが多いです。骨の充填と同時に骨が再生するまでの期間、歯茎の侵入を防ぐために人工の膜(メンブレン)で周囲を覆い、骨の再生を待つのが一般的な流れです。

メンブレンは、自然に体内に吸収される「吸収性」と除去が必要な「非吸収性」の2種類があります。非吸収性のメンブレンを使用した場合は、骨の再生が確認できたら除去する手術が必要です。

ソケットリフト

ソケットリフトは、上顎の奥歯に行う治療法です。インプラント治療で上顎洞を突き破ってしまうリスクがある方に適応されます。

上の奥歯にインプラント治療をする際、上顎洞を傷付けないように治療しなくてはいけません。万が一、上顎洞に傷がついてしまうと、上顎洞炎を引き起こす原因となってしまいます。

ただし、上顎の骨の厚みが5㎜以上あることが条件です。

ソケットリフトは、インプラント手術と同時に行う場合が多いです。治療手順は、インプラントを埋め込む部分をドリルで削り、上顎洞の1㎜手前まで穴を開けます。残りの骨は、上顎洞の周りにあるシュナイダー膜を傷つけないように、専用の機械で取り除きます。シュナイダー膜まで到達したら、自家骨または骨補填剤で上顎洞の底を挙上させて高さを出し、インプラントを埋め込み完了です。

インプラント治療と同時に行うことができるため、術後の細菌感染のリスクも少なく、身体への負担も少なく済むでしょう。

サイナスリフト

サイナスリフトは、上顎の骨を増やすために行う治療法です。顎の骨の厚みが5㎜以下で、ソケットリフトでは対応できないケースで適応されます。

サイナスリフトの治療の流れは、骨が足りない部分の頬側の歯茎を切開して、シュナイダー膜を傷つけないようにスペースを確保します。自家骨や骨充填材を充填したら、歯茎の侵入を防ぐため、メンブレンまたは穴を開けた際に取ったご自身の骨で周囲を覆い、縫合したら治療完了です。術後6か月前後の期間をおいて骨の再生を待ちます。

顎の骨が足りないときの再生療法にかかる費用相場

小銭を貯金箱にいれようとしている
顎の骨が足りなくてインプラント治療ができない場合、再生療法が必要不可欠といえます。再生療法の種類別の費用相場は、以下のとおりです。

<再生療法の種類別の費用相場について>

治療法 費用相場
GBR法 1か所 30,000〜150,000円
ソケットリフト 1か所 30,000〜100,000円
サイナフリフト 片側 150,000〜300,000円

インプラントの再生療法は、保険適用外の自由診療となるため、歯科医院によって費用が異なります。サイナスリフトは、GBR法やソケットリフトと比較して治療範囲が広くなるため、費用相場も高額となる傾向があるといえるでしょう。

ただし、費用は選択する治療法や範囲によっても変わってくるため、費用が気になる方は歯科医院でご確認されるのがよいでしょう。

まとめ

ポイントをまとめる歯科医師
インプラント治療は、顎の骨にインプラントを埋め込む必要があるため、骨に十分な厚みや幅、硬さが必要です。顎の骨が足りないためにインプラント治療を断られるケースも少なくありません。

しかし、顎の骨は再生療法で増やすことができます。再生療法は、インプラント治療を行う部位の顎の骨を、自家骨または骨充填材を用いて補填し、インプラント治療に耐えられる十分な骨をつくる治療法です。

症例によってGBR法・ソケットリフト・サイナスリフトの3種類から適切な治療法が選択されます。再生療法は保険適用外の自由診療で、インプラントの治療費とは別で費用がかかるケースが一般的です。ご自身がどの治療法の対象となるのか、費用がどれくらいかかるのか気になる方は、歯科医院を受診して確認してもらうとよいでしょう。

インプラント治療を検討されている方は、千葉県我孫子市の歯医者「ブライト歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

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